具体的には、レントゲン検査と歯周病検査、必要に応じて口腔内写真の撮影も実施し、そこから咬み合わせの状態を導き出します。こうした診査診断は保険適用です。なお、咬み合わせのバランスが悪く、どこかで強く咬んでいれば、その箇所に負担がかかります。すると、せっかくむし歯を治療しても詰め物が取れやすかったり、再びむし歯になりやすかったりということになりかねません。

当院では、目の前にあるむし歯を治療して終わりではなく、良い状態が長持ちすることを目指して保険診療を中心に治療します。

ご希望があれば、自由診療で歯型を取ったり咬む力や動きを機械で記録したりして、さらに詳しく調べることも可能です。

ご自分でも毎日歯磨きをされているとは思いますが、磨き残しをなくすことはできませんし、硬く歯石になってしまったものや歯周ポケットの中の汚れは歯ブラシでは落とせません。通院して治療を受けるとともに、上手な歯磨き方法についてアドバイスを受けましょう。

なお、歯周病も単に歯磨き不足で起こるとは限らず、やはり咬み合わせの悪さが影響を及ぼしていることがあります。たとえ大がかりな治療で歯周病の症状を抑えても、力のバランスが悪ければ問題は残ったままです。そのため、当院では外科的な処置は可能な限り避け、改善しにくい状態であることやその理由をご本人にご理解いただいて地道な治療を続けるようにしています。

お口の不調には、生活の中で無意識にしてしまうクセが影響しているケースが少なくありません。例えば、就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしていると、むし歯や歯周病になりやすくなります。起きている間もストレスで食いしばってしまう方には、知覚過敏症が多い傾向です。パソコンに向かってお仕事をする方も、上下の歯がいつも触れ合っている状態になりがちなので、ご注意ください。

当院では、患者さんのお口の状態や伺ったお話を基に、悪影響を及ぼしているクセを導き出し、意識して変えてみることをご提案しています。寝ている間のことなど全てのクセをなくすことは困難ですが、歯磨きや歯石除去による予防と合わせ、不調が起きにくいお口を目指しましょう。

歯型を基に模型を作れば、通常見ることができない歯の内側から見て、咬み合っているかどうかが分かります。

咬み合わせに問題があった場合、小学生くらいのお子さんでしたら、矯正治療で改善するのがおすすめです。当院と連携している矯正に特化した歯科医院がありますので、ご紹介します。

しかし、大人の方ですと、矯正で大まかな位置関係を整えることに加えて被せ物治療も必要なケースが多いため、咬み合わせ治療をためらう方がほとんどです。そうした方には無理に咬み合わせ治療をおすすめせず、リスクがある状態だと認識した上で、不調にそのつど対処していくことをご提案しています。

お口になじむ入れ歯とするため、保険診療の場合でも必要に応じて歯科技工士の立ち合いが可能です。型取りの際に立ち合うことで、咬み合わせのズレを把握し、ズレの修正を考慮した入れ歯にすることができます。また、作った入れ歯をお口に入れてみる時は、硬い模型ではなく患者さんのお口にはめた状態を観察することで、その場での微調整が可能です。

より快適性を求める方には、金属床義歯という選択肢もあります。入れ歯の土台が金属からできており、薄く、飲食物の温度を感じやすいことが特徴です。金属床義歯をご希望の方には、保険診療の入れ歯で調整済みの形状を、そのまま反映するようにしてお作りします。

歯を失った場合の治療方法として、どなたにでもインプラントありきでおすすめするわけではありません。例えば、強く歯ぎしりするクセがある方には不向きです。しっかりとした診査診断に基づき、インプラントが向いていると判断される場合に、入れ歯などと合わせた選択肢としてご提案します。

入れ歯だと咬む力に限界がありますが、インプラントはしっかりと咬めることが魅力です。ただし、まれにインプラント治療から2年以上たってから不具合が起きるケースもあります。当院では、患者さんが納得して治療を選択し、インプラントや入れ歯を使い続けられるよう、メリットもデメリットも隠さずにお伝えします。

さらに歯を明るい白さにしたい方には、ホームホワイトニングをおすすめします。ご本人の歯型に合わせたトレーを作り、中にお薬を入れて装着するという方法です。

詰め物・被せ物はホワイトニングでは白くできませんので、作る時点で周りと調和する白さの材料をお選びください。オールセラミックやハイブリッドセラミック、メタルボンドという選択肢があります。また、金合金ですと白くはないものの、歯と歯茎への負担が少なく、むし歯が再発しにくい材料としておすすめです。

また、タバコの影響などで歯茎の黒ずみが気になる方には、炭酸ガスレーザーによるピーリングをおすすめします。痛みをともなわず、健康的な色を取り戻すことができます。